この銀河の距離について,現在入手しているデータは以下の1つだけである.しかしながら,この程度の距離にある銀河については,我が銀河系と相手の銀河との間の相対速度も無視できないことから,赤方偏移,つまり宇宙膨張による後退速度のみでその距離を議論すると(NGC925の距離の表を見ると解るように)他の方法で推定される距離とかなり違ってしまうようである.NGC2742と同じ銀河群に属していると考えられるNGC2768は赤方偏移の程度を示す“z-index”が0.004980,これから求められる距離が6600万光年.しかし,他のいくつかの方法で求めた距離が7200万光年.後者の方がより正しい値だとし,その差が銀河群自体が我々に近づいてくる方向の速度成分をもっていることによるものだと仮定すれば,その速度は約74.6km/s.NGC2742についての“z-index”0.004687から求められる後退速度1400km/sに銀河群自体の接近速度を加味してNGC2742の“宇宙膨張による後退速度成分”を約1475km/sとして再び距離を求め,ここではこの銀河の距離として6800万光年という値を使うことにした(筆者はこういうことに関しては素人であるのでこの考察は間違いである可能性大であるということに留意していただきたい).
距離1 | 距離2(光年) | 観測 | REFCODE |
---|---|---|---|
19.7Mpc | 6432万 | Redshift(*1) | NED |