New Shepard

<画像:1/100スケールペーパークラフトによる ニュー・シェパード>
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アメリカの民間企業「ブルー・オリジン」が開発・運用を行っている弾道飛行用の有人ロケット.型紙は“Le forum en papier”から.
 ブルー・オリジンは,Amazon.com の設立者であるジェフ・ベゾスにより,宇宙市場でビジネスを展開することを目指して2000年9月に設立された.当初は有人での準軌道飛行を目指しており,ジェットエンジンによる飛行試験機「カロン」,ロケットエンジンによる垂直離着陸の実験機「ゴダード」を経て,2006年11月13日,「ニュー・シェパード」試験機(PM-2)の最初の打ち上げが行われた.機体は高度87mまで上昇した.この頃の実験記録は公開されておらず,詳細は不明だが,新たに製造された機体が同年6月頃に垂直離着陸に成功した映像が公開されている.同年8月末,この機体が打ち上げられ,高度1万4000mに到達したが,飛行試験中に爆発して失敗している.
 2015年4月29日,「ニュー・シェパード」(PM-3)1号機の最初の打ち上げが行われた.高度最高到達高度は93.5km,上部に搭載されたクルーカプセルの分離,回収に成功したが,打ち上げ機の回収は失敗に終わっている.
 2015年11月23日には2号機の打ち上げが行われ,この時は最高到達高度100.5kmに到達してカーマン・ラインを突破,クルーカプセルの分離・回収,さらに打ち上げ機の垂直着陸にも成功した.さらに,2016年1月22日にはこの機体が再整備されて打ち上げられたが,垂直着陸したロケットが再利用され,再度宇宙空間に到達したのはこれが史上初のことであった.
 この後,2号機で3回(合計5回),3号機と新形のクルーカプセルで7回,さらに4号機で2回の打ち上げテストが行われた後,2021年7月20日,初の有人飛行に成功している.なお,この時に搭乗したオランダ出身のオリバー・デーメンは18歳で史上最年少の宇宙飛行士,ウォリー・ファンクは82歳で史上最高齢の宇宙飛行士となった.
 2022年9月は打ち上げに失敗,4号機は失われてしまったが,これまでに6度の有人飛行を含む23回の打ち上げが行われており,2023年現在も運用/改良が続けられている.

ニュー・シェパード 実機データ
総重量:54t
全長:18.0m
直径:3.7m

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